「ねえ、耀くん」
「…いつまでいる気あるか」
「だって耀くんちの暖房好きだもの」
まあいい、勝手にするある、と王耀は呟いた。もうすぐ元旦なのにちゃんと準備せず、予告なしにこっちに来るなんて、まったく困るものだ。これで北部地域の気温がまた下がり始めるのは言うまでもない。
「耀くん」
「またどうしたあるか」
「今日は何の日って知ってる?」
「元旦の前日の前日ある」
「…耀くんのお正月って旧暦じゃないの?」
「元旦は旧暦に関係ないある」
「もっと面白い事言ってよ」
「梅艳芳が亡くした日あるか?」
「他は?」
「南/アフ/リカと外交関係…」
「…耀くん大嫌い」
「嫌いならさっさと帰るよろし、クソガキが」
「耀くん、お腹すいちゃった」
「まだいるあるか」
「耀くんってお客さんに熱心なのに僕にご飯くらいおごってくれないの…?」
「お前という客を招待した覚えはねーあるよ」
「ひどいなぁ」
「…しょうがねーあるな。今作るから大人しく待っていろある」
イヴァンの薄金色の髪を撫でて、王耀は台所へ向かった。
心地よい音と共に、美味しそうな匂いが漂ってきた。
「できたある」
「さすが耀くん…料理腕超一流」
「我の食文化をなめんなあるよ」
色鮮やかな料理がイヴァンの前へ運ばれて、最後に出てきたのは小さな茶碗だった。
「なに、これ」
普通に見える麺類のようなもので、緑の野菜と散った卵が飾ってある。少し湯気が立っていて、暖かい味がする。
「これは、長寿麺ある」
「長寿麺って…」
「この一本麺を切ることなく食べれば、長寿になるあるよ」
「僕らに長寿なんて意味ないと思うけどね…」
「人の好意を素直に受けるよろし!」
「あはは。冗談ってば。耀くんは食べないの?」
「うちの長寿麺は、誕生日の人が食べるものある」
「えっ…」
イヴァンの驚く声に、四千歳に見えない童顔が綺麗な薄い赤に染めた。
「…誕生日、おめでとう。イヴァン」
「ねえ、知ってる?僕はね、もともと誕生日が大嫌いなんだ」
「なぜあるか」
「この日になると、一年の生活も命も終わる。…なんだか、自分が死の象徴になったみたい」
「ある程度に言えばお前は確かに死神あるな」
「…そんなに素直に言うと傷つくよ」
「しかし、イヴァン、」
その紫瞳を見据えて、王耀は言った。
「終わりがなければ始まりがないある。確かお前の誕生日はすべての終わりに違いないが、すべての始まりを孕んでいるある」
「だから誕生日を嫌う必要はないある。楽しく過ごすよろし」
「…複雑ね。なんだかわかんないなぁ」
小さく笑って、イヴァンはいきなり王耀をベッドに押し倒した。
「アイヤ!何をするあるか!」
「耀くんが言ったように、誕生日を楽しく過ごします」
「こんなことじゃ…っん」
自分の唇で王耀の口を塞ぐ。大嫌いな自分の誕生日を楽しく過ごすために会いに来たのよ、耀くん。
今年の誕生日プレゼント、耀くんをいただきます。
「…いつまでいる気あるか」
「だって耀くんちの暖房好きだもの」
まあいい、勝手にするある、と王耀は呟いた。もうすぐ元旦なのにちゃんと準備せず、予告なしにこっちに来るなんて、まったく困るものだ。これで北部地域の気温がまた下がり始めるのは言うまでもない。
「耀くん」
「またどうしたあるか」
「今日は何の日って知ってる?」
「元旦の前日の前日ある」
「…耀くんのお正月って旧暦じゃないの?」
「元旦は旧暦に関係ないある」
「もっと面白い事言ってよ」
「梅艳芳が亡くした日あるか?」
「他は?」
「南/アフ/リカと外交関係…」
「…耀くん大嫌い」
「嫌いならさっさと帰るよろし、クソガキが」
「耀くん、お腹すいちゃった」
「まだいるあるか」
「耀くんってお客さんに熱心なのに僕にご飯くらいおごってくれないの…?」
「お前という客を招待した覚えはねーあるよ」
「ひどいなぁ」
「…しょうがねーあるな。今作るから大人しく待っていろある」
イヴァンの薄金色の髪を撫でて、王耀は台所へ向かった。
心地よい音と共に、美味しそうな匂いが漂ってきた。
「できたある」
「さすが耀くん…料理腕超一流」
「我の食文化をなめんなあるよ」
色鮮やかな料理がイヴァンの前へ運ばれて、最後に出てきたのは小さな茶碗だった。
「なに、これ」
普通に見える麺類のようなもので、緑の野菜と散った卵が飾ってある。少し湯気が立っていて、暖かい味がする。
「これは、長寿麺ある」
「長寿麺って…」
「この一本麺を切ることなく食べれば、長寿になるあるよ」
「僕らに長寿なんて意味ないと思うけどね…」
「人の好意を素直に受けるよろし!」
「あはは。冗談ってば。耀くんは食べないの?」
「うちの長寿麺は、誕生日の人が食べるものある」
「えっ…」
イヴァンの驚く声に、四千歳に見えない童顔が綺麗な薄い赤に染めた。
「…誕生日、おめでとう。イヴァン」
「ねえ、知ってる?僕はね、もともと誕生日が大嫌いなんだ」
「なぜあるか」
「この日になると、一年の生活も命も終わる。…なんだか、自分が死の象徴になったみたい」
「ある程度に言えばお前は確かに死神あるな」
「…そんなに素直に言うと傷つくよ」
「しかし、イヴァン、」
その紫瞳を見据えて、王耀は言った。
「終わりがなければ始まりがないある。確かお前の誕生日はすべての終わりに違いないが、すべての始まりを孕んでいるある」
「だから誕生日を嫌う必要はないある。楽しく過ごすよろし」
「…複雑ね。なんだかわかんないなぁ」
小さく笑って、イヴァンはいきなり王耀をベッドに押し倒した。
「アイヤ!何をするあるか!」
「耀くんが言ったように、誕生日を楽しく過ごします」
「こんなことじゃ…っん」
自分の唇で王耀の口を塞ぐ。大嫌いな自分の誕生日を楽しく過ごすために会いに来たのよ、耀くん。
今年の誕生日プレゼント、耀くんをいただきます。
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